March 17, 2004

困難に向かっている人へ3

 一週間ぶりだが、アランのプロポ「三つの対神徳」からの引用。

人間嫌いは、希望のみか信頼までも殺してしまう。人間たちが無知で、癒しがたく怠惰だとすれば、私は何を試みることができようか。その男が愚鈍で軽薄であると信じ込んでしまえば、彼を教育することすらわたしにできようか。だから、人間にかんする一種の希望と一種の信頼が存在するのだ。そして、その真の名は愛徳である。

 ここでアランは他者に対する愛を語っている。しかしある意味では自己もまた他者であろう。だからシャリテ(愛徳)もまた自己を対象とする。
 「隣人を自分のように愛しなさい」とはイエスの言葉である。

cf. アラン(山崎庸一郎訳)『プロポI』(みすず書房、2000年)、p. 219.
またイエスの言葉は、マタイ22章39節。

投稿者 Vapor Trail : March 17, 2004 10:23 PM