December 15, 2003

帰結主義

戦争が「好都合な」結果をもたらしうるものであるならばなおさらである。そうした戦争がもたらす結果こそ、場合によっては、戦争がいまだ理にかなった可能性であると万人を納得させる理由となるからだ。ならば一方で、それを否定することが義務であることも変わりはない。
 上に引いた言葉はウンベルト・エーコの「湾岸戦争」時のものである。引用からも分かるように、エーコは戦争を否定する。戦争は「浪費」であり、「人間の主体的決断をことごとく無に帰するもの」である。  結果よければすべてよし、ではない。

 サダム・フセイン元イラク大統領のアメリカ軍による拘束のニュースを聞いた日に。cf. ウンベルト・エーコ(和田忠彦訳)『永遠のファシズム』(岩波書店、1998年)。

投稿者 Vapor Trail : December 15, 2003 10:31 PM