October 28, 2003

西洋古典

 中務哲郎『饗宴のはじまり——西洋古典の世界から』(岩波書店、2003年)を購入、読み始める。エッセー集である。
 一読してすぐに気づく、この博識、この心の余裕。一言で言えば、豊かさがここにある。教養がここにある。
 こういう著者を育てた学問——ヨーロッパの古典、ギリシアやラテンの語学・文学の研究——は「無用」と言われるらしい。そしてその声は日増しに増え続けているのであろうか。
 だがそのような人々に充ち満ちている国こそ無用と言われているのではないか、アメリカの片棒を担ぐしか能がないために。

投稿者 Vapor Trail : October 28, 2003 11:02 PM