年末年始の休みからようやく復帰した。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
白洲正子『名人は危うきに遊ぶ』(新潮文庫、1999年)を疲れを感じたときに読む。日本の美を語りつつ「現代」への批判的まなざしを失わない、批評の教科書のような、それでいて肩をいからせていない文章が、こちらには心地よい。
白洲が批判している「現代」はもちろん、今から見ればずいぶんと昔である。ざっと20年は前だろうか。それでも共感するところが多いのはなぜか。日本の世相は変わったようで変わらない、ということなのか。それとも個人的な理由によるのか。
どうもどちらでもないような気がする。だがまだ考えがまとまらない。