10年以上前に読んだことがあったがほとんど印象に残っていなかった。読み返してみると、きわめて興味深く読めた。小林秀雄と違って別に風邪をひいたから読もうと思ったわけではない。
この第一巻ではスパルタの王である「リュクールゴス」の部分が面白かった。彼の定めた制度により、スパルタ人の生活は、戦争のときを除いて「合唱を伴う踊りや祭や宴会や狩だの体育だの歓談に関する暇潰しがすべての時間を充たしていた」(p. 136)という。もちろん、これは奴隷がいたから出来たことであっただろう。しかし労働が閑暇のためであるというのはもっと深く考えられてよいだろう。
全部で12冊ある。最後まで読んだ記憶はない。今回は読み通したいと思う。
象形。・・・才は聖化され、神聖なものとしてあるというのがもとの意味であり、才は在(ある)のもとの字である。・・・のち聖器としての小さな鉞の頭部の形(士)を加えて在となり、子を加えて存(ある、いきる)となる。存在とは、神聖なものとしてあるということである。